今こうしてブログを書いているのが11月20日なのでちょうど2ヶ月前に登った赤谷山。 物臭なのか単に忙しいのか自分でも分かりませんが、ずっと書こうと頭の中にあったのでモチベーションを上げて書いていきます!
”劔見るなら赤谷(あかたん)よ〜”という謳があるくらい富山では愛されているらしく、地元では単に劔を登るよりステータスが高い山だ、とも言われています。
なぜあのどっから行ってもそれなりにスリリングな剱岳よりもステータスが高いのかと言いますと、単純に①登山道があまり整備されていない、②途中に泊まる小屋がないので基本的には往復10時間くらいかかるコースを日帰りで戻ってこなければならないからです。(テント持ってれば別ですが)
とはいえ、総距離は約17km、スタート地点の馬場島から山頂までの標高差も約1500mなので、8月の早月に比べればチョロいもんだと内心侮っていました😅
馬場島へ4時頃着き、ブナクラダム方面の道へ入りゲートの手前に車を停めることができると聞いていましたがいつものPへ。当日の夜明けが5時35分、夜明け前にブナクラ堰堤まで行ってしまおうと思い歩き出しました。
すると早く着き過ぎてしまいまだ暗い中、ヘッデン灯けたままブナクラ峠へと向かう道を探す羽目に。それもその筈、ブナクラ峠方面の道に通行禁止看板が。
写真の右手に堰堤があるのですが対岸へと橋がかかっていたので渡って上部を目指そうとするも、どうも都合が悪いのでここへ戻って林道を進んでいきます。確かにこの先の道は草がぼうぼうで大きな落石もあり、かなり荒廃していましたが踏み跡らしき道はあります。
更にボチボチ日が昇ってもいい頃合いなのに全然明るくなりません。ということはアレです、ガスってるってやつです。予報では天気いいはずだったのに😅
道は荒れてはいるものの踏み跡は明瞭でそこまで迷う感じではありません。そのうち右手に大きな沢が見えてきます。
しかしこれ以降更にガスが濃くなり、その上何度も沢を渡渉したり、コース上に小さい沢が流れているようなところを歩く羽目になり登山靴はぐちょぐちょに。当然そんな道なのでコースタイムを巻いて歩けるはずもなく、内心山頂踏めなくても行けるとこまでなどと弱気な心が出てきます。
富山のマイナールートは伊達じゃない、と2割の感嘆の気持ちを持ちながら歩き続けました。(残り8割は2度と来たくないわーと投げやりな気持ち)
突如としてデカイ岩が沢山現れる登りとなり、そしてそこを突き上げて行ったところがブナクラ峠です。
よっしゃ、やっとこさ稜線でた!!と喜ぶのも束の間。風がビュービュー音を立てて吹き、ガスも濃くなりこの先の道もなんだか険しそう。まぁ、行けるところまで、と再び弱気な心が顔をのぞかせてきます。
稜線に出ると本来であれば赤谷山へ向かって左側には黒部を挟んで後立山が見えているはずですが、真っ白けっけで何も見えません😢おまけに雄大な立山連峰とはいえマイナールートなので草茫々で踏み跡が分かり難かったりもします。途中何度も藪漕ぎのような思いをしながらルートファインディンをしていると下半身は靴の中までグッチョグチョに。
更に稜線に出てからの水平距離がさほどでもないと思っていたのですが、歩きづらい上まだまだ登りが続きます。苔蒸した大きな岩がゴロゴロしたような道を手も使いながら進んでいきます。あまりのしんどさから何度「もう2度と来るものか」と心の中で呟いたことか。
ようやく上部が開けてきたと思いきや、ガスが晴れて視界も良好になってきます。
それでもまだ歩きにくい野生化した道を進んでいくと、、、
キレーな雲海の向こうに猫又山が目に飛び込んできます!それまでのしょぼくれた気持ちはどこへやらで「ヒャッホー、来て良かったー」を何度も心で繰り返します。
それでも赤谷山への核心部はこれから。道も一層細くなり右手のブナクラ谷側はすっぱり切れ落ちています。
とはいえそれほど緊張感のある道でもなくガスも晴れたことでここまでの疲れもどこへやら
最後の登りが終わるとやっと山頂に到着しました!馬場島から休みなく歩いて6時間。 途中気持ちが萎えそうになりましたが我ながらよく頑張った笑
これまでのなんとなく窮屈だった道とは別天地で、山頂はまさに劔をみる一等地。富山の人々に愛されてる理由がよくわかります。
後立山をズームアップ!!
こんな感じで写真を撮り続け、そのあとはゆっくりコーヒーを沸かしてランチタイム。
そのあとは靴のみならず、グッチョグチョに濡れた靴下も脱いで日光浴しながら寝っ転がる標高2300mの日差しは下界とは違ってエネルギーに満ち溢れている。こうしていると他に何もいらないといった感覚になる。これこそが心と体に対する最高の癒しだ。
こんな調子で1時間半休憩してしまった。11時半をすぎたところで再び行動開始。それなりに苦労してきて登ってきたことを考えるとあまりのんびりしていられない気持ちに駆られる。
山頂直下の若干崩落が進む箇所を慎重に通過する。豪雪の時期をのぞいて、雪を被ったここからの劔や日の出も狙ってみたいと思うがここがネックになるなぁ〜と考えながら通過していく。
途中道を間違えて黒部側にしばらく下りてしまう。踏み跡というか道の流れがそちらへと続いていたため進んでいくと、「こんなところ通ったかな?」とGPSで確認するとそれなりに道を外れていた。今でこそこうした便利な物を持っているからいいものを、一昔前なら厄介なことになりかねないケースだ。後日バイト先の山好きの人に話すとこの辺りは昔魚津高校の山岳部がいろんな道を付けたらしく、そのころの踏み跡が残っているとのこと。
その後も何度か道迷いをしながらも、またブナクラ峠あたりまで戻ってくるとガスが濃くなる。ここはどうやら風の通り道らしい。
行きとは違って晴れているとなんとも爽快な道だということに気がつく。
それにしても途中にある岩屋は渋すぎる、、、
行きとは違って順調に下って行きます。
この辺りまで来ると朝は当然聞こえなかった工事の音が聞こえてきます。工事の人に会うとなんとなくバツが悪いなぁ〜と思いながらも遠くのショベルカーが大岩と格闘しているだけでした。😌
なんだかんで初秋の赤谷山を満喫できました。🍁
そのうち毛勝三山にも足を伸ばしたいですが、それこそ1度に周るのは無理だろうなぁ〜
今回も無事に下山できたので山の神に感謝🙏